恩田御厨(読み)おんだのみくりや

日本歴史地名大系 「恩田御厨」の解説

恩田御厨
おんだのみくりや

荒川中流の右岸、現大里村上恩田・中恩田・下恩田・手島てしま付近に比定される。ただし現神奈川県横浜市みどり区恩田町付近に比定する説もある。「神鳳鈔」にみえる七板なないた御厨の部分に「一名恩田百卅一町」と注記されているので、恩田御厨は伊勢神宮領七板御厨の別称であった可能性がある。同書によると、供祭物は内宮に上分白布三〇段・口入布段別六丈、外宮には上分四丈布二五段・雑用七五段とされている。これ以前、建久三年(一一九二)八月に作成された伊勢大神宮神領注文写(神宮雑書)には「七松御厨二宮」とあるが、「七板御厨二宮」の誤記であろう。

恩田御厨
おんだのみくりや

みどり区恩田町を中心とする一帯。建久三年(一一九二)八月日の伊勢大神宮神領注文(神宮雑書)や「神鳳鈔」などにはみえず、伊勢神宮領である確証はない。嘉暦三年(一三二八)正月八日の審省置文(県史二)によれば「恩田御厨田嶋郷内」の田一町一反、在家一宇が捧左近入道禅道から僧審省へ譲られていた。建武元年(一三三四)八月一〇日の奈良綱長打渡状および平戸光行打渡状(県史三)によれば両使に選ばれた奈良綱長・平戸光行の二人は上壁屋左衛門次郎の妨害を排除して「恩田御厨田嶋郷」の田一町一反、在家一宇を鎌倉建長寺正続しようぞく院末寺の武蔵国津田つだ(現緑区)長福ちようふく寺雑掌祖広に打渡している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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