怠・惰(読み)おこたる

精選版 日本国語大辞典 「怠・惰」の意味・読み・例文・類語

おこた・る【怠・惰】

[1] 〘他ラ五(四)〙
① しなくてはならない事をしないで、なまける。精を出さないでいる。
書紀(720)敏達四年二月(前田本訓)「皇子大臣とに詔して曰はく、『任那の事に莫懶懈(なオコタリそ)』とのたまふ」
※小学教授書(1873)〈文部省〉「学文を、怠りますと、貴き人に、なられませぬか」
② 油断する。注意を払わないでいる。
源氏(1001‐14頃)若菜上「今よりは疎からず、あなたなどにも物し給て、をこたらんことは、おどろかしなども物し給はんなん」
③ いい加減にして、過失をおかす。あやまりをおかす。
※栄花(1028‐92頃)浦々の別「身づからおこたると思ひ給ふる事侍らねど、さるべき身の罪にてかくあさましきめを見侍れば」
[2] 〘自ラ四〙
① 病気がよくなる。病気や苦しみがなおる。
大和(947‐957頃)一〇一「おなじ季縄(すゑなは)少将、病にいといたうわづらひて、すこしをこたりて内にまゐりたりけり」
事態がもとにもどる。事態がおさまる。
平家(13C前)二「夕には深山に向って宝号を唱ふるに、感応おこたる事なし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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