思砕(読み)おぼしくだく

精選版 日本国語大辞典 「思砕」の意味・読み・例文・類語

おぼし‐くだ・く【思砕】

[1] 〘自カ下二〙 (「おもいくだく(思砕)(一)」の尊敬語) さまざまに思い乱れなさる。
※浜松中納言(11C中)五「ひるは日ぐらしおぼつかなきを、おぼしくだくるよりほかの事なし」
[2] 〘他カ四〙 (「おもいくだく(思砕)(二)」の尊敬語) さまざまに心を乱される。気をおもみになる。
※浜松中納言(11C中)二「この御心にかくおぼしくだかせつらんほど、罪得がましう恐ろしきにも」

おもい‐くだ・く おもひ‥【思砕】

[1] 〘自カ下二〙 さまざまに思い乱れる。気がもめる。
※延喜十三年亭子院歌合(913)「誰によりおもひくだくる心ぞは知らぬぞ人のつらきなりける〈凡河内躬恒〉」
[2] 〘他カ四〙 さまざまにものを思い、心を乱す。気をもむ。
蜻蛉(974頃)中「ふる雨のあしともおつるなみだかなこまかに物を思ひくだけば」

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