思渡(読み)おもいわたる

精選版 日本国語大辞典 「思渡」の意味・読み・例文・類語

おもい‐わた・る おもひ‥【思渡】

〘他ラ四〙 長くずっと思い続ける。絶えず思う。
万葉(8C後)四・七一四「情(こころ)には思渡(おもひわたれ)ど縁(よし)を無(な)み外(よそ)のみにして嘆(なげき)そわがする」

おもい‐わた・す おもひ‥【思渡】

〘他サ四〙 遠くのこと、昔のことなどを想像したり、回想したりする。
源氏(1001‐14頃)紅葉賀「かかる程よりあけ暮れ見し。さればおもひわたさるるにやあらむ、いとよくこそおぼえたれ」

おぼし‐わた・る【思渡】

〘他ラ四〙 (「おもいわたる(思渡)」の尊敬語) 長くずっと思い続けなさる。絶えずお思いになる。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「色にもいで給はねど、なほおぼしわたるに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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