思当(読み)おもいあたる

精選版 日本国語大辞典 「思当」の意味・読み・例文・類語

おもい‐あた・る おもひ‥【思当】

〘自ラ五(四)〙
問題物事が、自分経験知識の範囲内のどれであるかに気がつく。なるほどそうかと気がつく。
史記抄(1477)六「今は勢ふほどに、もとわるくあったに、思あたらうとて」
浮世草子男色大鑑(1687)一「其後丹之介をめして、思ひ当(アタ)りたる事も有かと、御尋ねあそばしけるに」
② 大事なことを思いつく。
今川仮名目録(1526)「右条々、連々思当るにしたかひて、分国のため、ひそかにしるしをく所也」

おもい‐あ・てる おもひ‥【思当】

〘他タ下一〙 おもひあ・つ 〘他タ下二〙
① 確かにそれだと見当をつける。思いつく。考えつく。また、あてはめて考える。
源氏(1001‐14頃)夕顔「まだ見ぬ御さまなりけれど、いと著(しる)く、おもひあてられ給へる御側目(そばめ)を、見過ぐさで、さしおどろかしけるを」
② 考えて、それぞれに割りあてる。ふさわしいものを考えて決める。
※源氏(1001‐14頃)柏木女房なかにも、品々に思あてたるきはぎは、おほやけごとに、いかめしうせさせ給へり」

おもい‐あて おもひ‥【思当】

〘名〙 あれではないかと推測すること。当て推量。心あて。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「おもひあてに、かの見給ひし手よりは、いとなまめかしうあてに書きたれど」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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