忽那嶋開発記(読み)くつなじまかいはつき

日本歴史地名大系 「忽那嶋開発記」の解説

忽那嶋開発記
くつなじまかいはつき

一冊 著者不詳であるが、忽那氏と関係の深かったもの

成立 慶長年間頃

分類 家譜

写本 忽那肇氏

解説 古代に忽那氏の祖が忽那島開発領主として土着したのに筆を起こし、豊臣秀吉の伊予討伐軍によって忽那島が占拠されるところで巻を閉じている。忽那氏は鎌倉時代に同島の地頭職を留保して勢力を拡大し、南北朝時代に悪党として内海に雄飛し、室町・戦国時代には河野氏の部将として活動した。叙述様式は、忽那氏のなかで惣領職を継承した人物ごとに事績をまとめている。忽那嶋相伝之証文・忽那一族軍忠次第・忽那氏系図などを史料として編集したものであろう。忽那氏関係の史実を地誌のうえから研究しようとするには重要な参考史料である。

活字本 「続々群書類従」史伝部二

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報