精選版 日本国語大辞典 「心太・心天・瓊脂」の意味・読み・例文・類語
ところ‐てん【心太・心天・瓊脂】
〘名〙
① 海藻のテングサを煮とかして、その煮汁をこし、型に流して冷やし固めた食品。ところてん突きで突き出し、醤油や酢をかけ、とき辛子や青海苔を添えて食べる。夏には暑気を払い、冬には寒気に堪えるとされた。こころぶと。《季・夏》
※頓要集(14C後‐15C前)「心太」
※俳諧・犬子集(1633)三「見て涼しひむろや出るところてん」
③ 「ところてんしき(心太式)」の略。
※影の車(1961)〈松本清張〉五「彼がその地位に就いたのは、永い間勤めていたための云わばトコロテン人事であった」
[語誌](1)「十巻本和名抄‐九」に、「大凝菜 楊氏漢語抄云大凝菜〈古々呂布度〉本朝式云凝海藻〈古流毛波 俗用二心太一読与二大凝菜一同〉」とあるように凝海藻で作った食品を平安時代にはコルモハといい、俗に心太の字をあてて、ココロフトと称していたのである。
(2)このココロフトが室町時代にはココロテイとも読まれるようになり、ココロテイが更になまって、いつしかココロテン、さらにはトコロテンとなったと思われる。
(2)このココロフトが室町時代にはココロテイとも読まれるようになり、ココロテイが更になまって、いつしかココロテン、さらにはトコロテンとなったと思われる。
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