心を掛ける(読み)こころをかける

精選版 日本国語大辞典 「心を掛ける」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 を 掛(か)ける

① 心を留める。注意する。
曾丹集(11C初か)「ゆふだすきはなにこころをかけたればはるはやなぎのいとまなみこそ」
源氏(1001‐14頃)宿木「常に心をかけて、しるきさまなる文などやあると、〈略〉さりげなくてさがし給へど、さる物なし」
② 思いを寄せる。恋い慕う。
※後撰(951‐953頃)春上・三〇・詞書「年を経て心かけたる女の」
※源氏(1001‐14頃)若紫「心のいとまなくのみ思し乱るる人の御あたりに心をかけて」
③ 信仰する。祈願する。
※観智院本三宝絵(984)下「況や心をかけしづかに観ずる人は、功徳いよいよすぐれたり」
※後拾遺(1086)釈教・一一八八「月のわに心をかけし夕よりよろづの事を夢とみるかな〈覚超〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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