御手許・御手元(読み)おてもと

精選版 日本国語大辞典 「御手許・御手元」の意味・読み・例文・類語

お‐てもと【御手許・御手元】

〘名〙 (「お」は接頭語。「てもと(手許)」をいう尊敬・丁寧語)
① 手ぎわ。手つき。
※虎明本狂言・二千石(室町末‐近世初)「刀をやる『其お手もとが、むごひほどに似まらした』」
② 酒をすすめられて、それをおさえ、相手の手なみが見たいの意で、逆に相手にすすめるときのことば
洒落本・家暮長命四季物語(1779)「やるの、おさへるの、あいの、御手もとの、すけさせるのと」
配下。部下。
※都繁昌記(1837)乞食不自由の廃畸物(〈注〉かたはもの)、貴手下に就くことを得ず(〈注〉オテモトへはまゐりませぬ)」
④ 料理屋などで箸(はし)をいう。〔特殊語百科辞典(1931)〕
歌舞伎桜姫東文章(1817)二幕「お姫様、今日から非人となれば、お手本(テモト)お納戸もあるまいし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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