庭柏寺堤(読み)ていはくじづつみ

日本歴史地名大系 「庭柏寺堤」の解説

庭柏寺堤
ていはくじづつみ

[現在地名]岡原村宮原 寺ノ下

幸野こうの溝東南約二〇〇メートルの杉林の中にある灌漑用溜池。堤の下に享禄二年(一五二九)の創立といわれる庭柏寺跡(曹洞宗のち黄檗宗、山号竜興山)や、相良氏一九代忠房・二〇代長毎・二一代頼寛の供養塔がある。堤の造成年代は不明だが、文化七年(一八一〇)の宮原村下絵図(笹淵格氏蔵)には堤や寺が記されている。夕軒覚書(「国誌」所収)に「庭柏寺堤一ケ所竪廿九間 深サ弐丈 横拾五間 水田八反弐拾七歩 分米三石三斗壱升九合」とある。堤と幸野溝の間のサコ田を中心として灌漑用水として利用され、明治八年(一八七五)の「郡村誌」に「廷柏寺溜池 周囲一町二十八間、直径十五間、深二丈、此反別一反四畝十五歩、水源山反別ノ内、此水掛田八反二十七歩、是ハ山谷ノ出水ヲ溜池ニ修築ス又幸野分水溝助トナル」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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