広瀬川・桃木川(読み)ひろせがわ・もものきがわ

日本歴史地名大系 「広瀬川・桃木川」の解説

広瀬川・桃木川
ひろせがわ・もものきがわ

両川とも利根川分流で、一級河川である。広瀬川は勢多せた北橘きたたちばな村の佐久さく発電所から取水し、利根川左岸を南流し、前橋市街地を流れ、伊勢崎市を貫流し、佐波さわさかい町で利根川に注ぐ。北橘村内で天狗岩てんぐいわ用水大正たいしよう用水に分水し、前橋市田口たぐち町で桃木川を分流、朝日あさひ町で端気はけ川を、広瀬町でにら川を分水、小屋原こやばら町で桃木川を合せ、伊勢崎市内で荒砥あらと川とかす川を、境町で韮川を合流している。両川とも利根川の旧流路といわれ、一四、五世紀まで利根川は赤城山の裾野と前橋台地の間、幅二―三キロの氾濫原を自由に乱流し、多くの自然堤防を形成していた。現在、自然堤防と旧河道低地とが網の目状に交錯するさまは、当時の網状流を彷彿とさせる。旧河道部は広桃両堰の豊富な用水で水田化しているが、薄い砂壌土の下は粗大な砂礫層になっている。江戸時代以来利根川東岸の前橋以南の諸村にとり、最も重要な用水であった。「前橋風土記」に「此利根川 土人呼で広瀬川と曰う。其の源利根川と同じ。勢多郡箱田村に到り分れて此利根川と為る」とあり、「桃木堰 勢(ママ)郡真壁村に在り。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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