伊勢崎(読み)イセサキ

デジタル大辞泉 「伊勢崎」の意味・読み・例文・類語

いせさき【伊勢崎】

群馬県南東部の市。もと酒井氏城下町。古くから銘仙産地で知られ、現在は重工業中心。人口20.7万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「伊勢崎」の意味・読み・例文・類語

いせさき【伊勢崎】

[1] (「いせざき」とも) 群馬県南東部にある地名。古くは赤石郷と呼ばれたが、一六世紀中期、伊勢神宮神領を寄進したので伊勢前(のち伊勢崎)になったという。江戸時代、酒井氏二万石の城下町、市場町として発展養蚕奈良時代から行なわれ、「伊勢崎銘仙」で知られる。昭和一五年(一九四〇市制
[2] 〘名〙 「いせさきめいせん(伊勢崎銘仙)」「いせさきじま(伊勢崎縞)」などの略。
破垣(1901)〈内田魯庵〉一「平常着(ふだんぎ)に伊勢崎とは奢(しゃ)れてるネ」

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改訂新版 世界大百科事典 「伊勢崎」の意味・わかりやすい解説

伊勢崎[市] (いせさき)

群馬県南部の市。2005年1月旧伊勢崎市と赤堀(あかぼり)町,境(さかい)町,東(あずま)村が合体して成立した。人口20万7221(2010)。

伊勢崎市北端の旧町。旧佐波(さわ)郡所属。人口1万6961(2000)。赤城山南麓,渡良瀬川がつくった扇状地の西端にあり,粕川,早川が南流する。第2次世界大戦前から養蚕とともにスイカの生産が盛んだった。スイカは県内有数の産地で,赤南市場で取引される。ダイコンの生産量も多く,村内の漬物工場でたくあんに加工されている。国道50号線の沿線を中心に機械,食品など中小工場が多い。村の西半部には茶臼山古墳などの古墳群が分布する。

伊勢崎市北東部の旧村。旧佐波郡所属。人口2万0656(2000)。赤城山南麓の緩斜面に位置し,早川が南流する。米麦と養蚕を中心とする農業が営まれていたが,近年はスイカ,カボチャなどの野菜や畜産が増えている。旧伊勢崎市に隣接して,伊勢崎東流通団地が造成され,中小工場も多い。1970年ころから人口が増加している。北部の国定は幕末の俠客国定忠次の出身地。
執筆者:

伊勢崎市西部の旧市。1940年市制。人口12万5751(2000)。利根川中流部北岸の低地を占め,赤城山麓の南方にあたる。中世は赤石郷と称したが,1566年(永禄9)由良氏がこの地の年貢を伊勢神宮に献じたことから伊勢前(いせさき)と呼ばれ,転じて伊勢崎となったといわれる。近世には酒井氏2万石の城下町で,1・6の市日には日用品や生糸,織物類の取引でにぎわった。古い伝統をもつ銘仙をはじめとする伊勢崎織物は明治以降絣(かすり)の技術が導入され,賃機の組織が確立して隆盛期を迎え,第2次世界大戦後は広幅ものやウール地,トリコットに変わった。1965年以降は輸送機器,電気機器,機械などの近代的大工場が,南部を中心とする諸工業団地に誘致され,織物の町から近代的工業都市へと変化した。北部の華蔵寺のキンモクセイは樹齢約300年と推定され,天然記念物である。市街地内の相川考古館には1万点近くの古墳出土品が収蔵され,うち埴輪4体が重要文化財に指定されている。JR両毛線伊勢崎駅は東武伊勢崎線の終点でもある。北関東自動車道のインターチェンジがある。
執筆者:

伊勢崎市南東部の旧町。旧佐波郡所属。人口3万1025(2000)。旧伊勢崎市の東に接し,利根川中流北岸の沖積地を占める。中心集落の境は江戸時代,日光例幣使街道の宿場町で,また繭,生糸などを集散する市場町でもあった。現在も商業活動が盛ん。利根川沿岸の平塚は銅(あかがね)街道の終点で,鉄道が開通する前は足尾鉱山の銅を積み出す河港としてもにぎわった。野菜栽培を主とする農業と繊維,電機を中心にした工業が行われるが,工業が産業の中心である。二つの工業団地がつくられ,就業人口に占める製造業従事者の割合も高い。東武伊勢崎線が通じる。
執筆者:

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旺文社日本史事典 三訂版 「伊勢崎」の解説

伊勢崎
いせざき

群馬県南東部にある,江戸中期からの織物都市。現在は工業が盛ん
寛政(1789〜1801)以降酒井氏の城下町。18世紀初め縞 (しま) の絹織物が織り出され,改良が加えられて紬 (つむぎ) ・太織 (ふとおり) などとともに名産となる。幕末には実用的な銘仙絣 (めいせんかすり) の産地として知られ,第二次世界大戦まで発展したが,戦後は電気・輸送機器などの近代的工業都市となった。

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