朝日日本歴史人物事典 「広岡久右衛門(9代)」の解説
広岡久右衛門(9代)
生年:弘化1.9.28(1844.11.8)
明治時代の実業家。大坂の代表的な両替商加島屋久右衛門家第9代。第8代久右衛門(正饒)の3男。大坂土佐堀生まれ。幼名は文之助,のち正秋。兄喜三郎の早世のため早くから家督を相続,明治天皇が京都から東京に移ったとき,御用掛を務める。明治1(1868)年,政府紙幣である太政官札発行に際して,鴻池善右衛門らと共にその流布に尽力した。2年には大阪為替会社および大阪通商会社の惣頭取となる。21年には加島銀行を創立,その頭取となった。翌22年に初の大阪市会議員となり,市参事会員に推挙された。35年に護国生命,北海生命が合併して大同生命保険株式会社となり,初代社長に就任。36年には堂島米穀取引所理事長となった。
(作道洋太郎)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報