川越平(読み)かわごえひら

精選版 日本国語大辞典 「川越平」の意味・読み・例文・類語

かわごえ‐ひら かはごえ‥【川越平】

〘名〙 埼玉県川越市付近で初めて作られた絹織りの袴地(はかまじ)
洒落本当世風俗通(1773)極上之息子風「夏は袴せいかう平の小棒すじ、または、河越平(カハゴヒヒラ)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「川越平」の意味・わかりやすい解説

川越平
かわごえひら

埼玉県川越市およびその付近で産した絹の男袴地(はかまじ)で、縞柄(しまがら)のものが多い。この川越織物は、1705年(宝永2)に、秋元但馬守(たじまのかみ)喬知(たかとも)が甲斐(かい)国(山梨県)都留(つる)郡谷村(やむら)より川越へ転封のとき、織工を移して絹を織り、江戸に送ったことに始まるといわれる。この川越平は川越織物のうちの代表的な織物の一つで、江戸時代には著名であったことが文献に散見される。

[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android