精選版 日本国語大辞典 「桜井」の意味・読み・例文・類語
さくらい さくらゐ【桜井】
さくらい さくらゐ【桜井】
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奈良県中北部,奈良盆地南東部の市。1956年桜井町に大福,香久山の2村を編入,市制。人口6万0146(2010)。旧桜井町は初瀬川の谷口に位置し,古くから初瀬谷,宇陀山地,竜門山地を後背地として発展した市場町であった。1893年桜井~高田間に鉄道(現,JR桜井線)が開通し,大阪への鉄道輸送が可能となったことから,山地からの木材の集散地として注目をあび,特に第2次世界大戦後に飛躍的な発展を遂げた。今日も桜井市は製材業,木工業など,木材関係の事業所数が総事業所数の約半分を占めている。ほかには食品,繊維関係などの工場がある。特産としては北部の三輪周辺のそうめんがある。農業では鉢物やキュウリの生産が多い。1956年に完成した倉橋池は奈良盆地の溜池灌漑に大きな役割を果たしている。桜井は古代の磐余(いわれ)の地で,崇峻・舒明両天皇陵,歴代の天皇の宮跡,古代の市として有名な金屋の海柘榴市(つばいち)など,古代の史跡が多い。また端整な三輪山(467m)を神体とする大神(おおみわ)神社,中世以来初瀬(長谷)詣で有名な長谷寺,〈知恵の文殊さん〉として親しまれている安倍寺,藤原鎌足を祭神とする談山神社,国宝の十一面観音立像で有名な聖林(しようりん)寺などの由緒ある寺社も多い。近鉄大阪線が通る。
執筆者:橋本 征治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…古代以来,瀬戸内海航路の要地で,国分古墳はじめ古墳も多い。伊予国府は南郊の富田に,また国分寺が国分に置かれ,近世初期まで桜井地区が当地の中心であった。1600年(慶長5)領主となった藤堂高虎は桜井の国府城に入ったが,02年から砂州を埋め,三重の堀をうがって海水を引き,現在地に今張城を築いた(石垣と内堀のみ残す)。…
※「桜井」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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