日本大百科全書(ニッポニカ) 「川崎(町)(宮城県)」の意味・わかりやすい解説
川崎(町)(宮城県)
かわさき
宮城県南部、柴田郡(しばたぐん)にある町。1948年(昭和23)町制施行。雁戸山(がんとやま)、蔵王山(ざおうさん)の東麓(とうろく)、名取(なとり)川の支流碁石(ごいし)川、前川の流域を占める。町域の大部分は山林である。藩政時代には奥州街道宮宿(みやじゅく)と山形城下を結ぶ笹谷街道(ささやかいどう)が通じ、参勤交代や出羽(でわ)三山詣(もう)で、米穀、紅花(べにばな)運搬などに主要な役割を果たした。明治以降、利用価値が低下したが、近年笹谷街道は国道286号となり、また1981年に笹谷トンネルが開通し仙台―山形間の主要幹線の一つとなっている。さらに1990年(平成2)には山形自動車道が開通し、宮城川崎、笹谷の両インターチェンジが設置されている。また、国道457号も通じている。釜房ダム(かまふさだむ)は仙台市への水の供給池(釜房湖)で、そのほとりには国営みちのく杜(もり)の湖畔公園がある。蔵王山麓は国定公園に含まれ、青根温泉(あおねおんせん)、峩々温泉(ががおんせん)がある。滝前不動のフジは国の天然記念物。面積270.77平方キロメートル(一部境界未定)、人口8345(2020)。
[青柳光太郎]