日本大百科全書(ニッポニカ) 「川上(村)(長野県)」の意味・わかりやすい解説
川上(村)(長野県)
かわかみ
長野県南東部、南佐久郡(みなみさくぐん)にある村。千曲川(ちくまがわ)最上流部を占める。千曲川上流域の狭長な氾濫原(はんらんげん)と、八ヶ岳(やつがたけ)火山の裾野(すその)に集落や耕地が分布する。JR小海(こうみ)線が通じる。標高1100~1400メートルの高冷地で、第二次世界大戦までは木材と産馬の収入に頼る山村であったが、戦後はレタスなど日本有数の夏野菜の産地となり、おもに東京方面に出荷され、1戸当り農業粗生産額は全国最高水準にある。広大な高原と夏の涼しさのため、別荘や学校寮も増えている。金峰山(きんぷさん)、甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)への登山口にもあたり、野辺山(のべやま)高原も同村域の一部。国指定史跡の大深山遺跡(おおみやまいせき)は縄文時代中期の遺跡で、出土品は考古館に保存陳列されている。面積209.61平方キロメートル、人口4344(2020)。
[小林寛義]
『長野県地理学会編『川上村の動き』(1953・川上村)』
[補完資料] |