岸根村
がんねむら
[現在地名]美和町大字岸根
玖珂郡北東部の村で、北東は小瀬川を挟んで安芸国。西は黒沢村。寛永二〇年(一六四三)に藤谷村を分割してできた村で、慶安四年(一六五一)の「御領分村一紙」に村名が出る。岩国藩領。
村名の由来を「白滝千丈ノ岸根タルヲ以テ名トス」と「玖珂郡志」がいうように、東・北・西を山に囲まれた山村で、荒山・さで・柳ヶ迫・中屋・射場ヶ原・駄床原・中津・宮ヶ垰などの小字がある。それでも一三町歩の水田を開き、村高二〇〇石ばかり、人口二八二人、牛三五頭、馬四頭(享保増補村記)という状態であった。庄屋は黒沢村庄屋の兼務、村内に刀禰一人がいて藤谷組代官に属した。なお、村の東側が小瀬川を隔てて、安芸国佐伯郡小方村(現広島県大竹市)に対していたので、字片白という所に口屋と称する小さな監視所があった。
岸根村
きしねむら
[現在地名]港北区岸根町・新横浜一丁目
東は篠原村、南は六角橋村・片倉村(現神奈川区)、西は三枚橋村(現神奈川区)・鳥山村、北は篠原村に接する。古鎌倉道が東北から片倉村に通じる。西北の川崎道沿いに鳥山村より引水する用水堀があり、盲人の水死にまつわる伝承をもつ琵琶橋が架かる。
近世初めは幕府直轄領、寛文八年(一六六八)旗本酒井領、元禄一〇年(一六九七)旗本諏訪領。田園簿は「岸ノ根村」と記し、田九六石余、畑五七石余。天和三年(一六八三)の田一三町三反余、畑屋敷一四町五反余(横浜市史)。享保一〇年(一七二五)一一月の神奈川宿助郷帳(県史九)では助郷高一五四石を勤めている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報