岳ノ遠見番所跡(読み)たけのつじとおみばんしよあと

日本歴史地名大系 「岳ノ遠見番所跡」の解説

岳ノ遠見番所跡
たけのつじとおみばんしよあと

[現在地名]郷ノ浦町片原触

近世平戸藩が設置した遠見番所の跡。壱岐島内で最高峰の岳ノ辻(二一二・九メートル)は岳峰・志原しわら岳ともいわれ、頂上部に烽場跡・遠見番所跡や式内社の見上みのへ神社がある。烽場は天智天皇三年(六六四)に置かれたものか、弘仁六年(八一五)異賊が襲来したために設置されたという二ヵ所の関と一四ヵ所の要害に関連するものか、承和二年(八三五)徭人三三〇人に守備させた要害にかかわるものか(壱岐名勝図誌)、明らかでないが、壱岐島を一望できることから古代より警衛要所であったのであろう。近世は平戸藩の遠見番所が置かれ、幕末期に岳ノ辻遠見番所組として昼夜海上の遠望監視を行い、異状があれば城代または勝本かつもと押役所(現勝本町)に報じる定であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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