岩流瀬土手(読み)がらぜどて

日本歴史地名大系 「岩流瀬土手」の解説

岩流瀬土手
がらぜどて

[現在地名]山北町岸

足柄平野の北西部、酒匂さかわ川扇状地の扇頂部に大口おおくち堤を守るために築かれた土手。文命西堤ぶんめいせいていともいう。小田原藩主大久保忠隣が足柄平野を乱流する河川を統合して酒匂川の流路を確定し、平野部の新田開発と用水の安定を図るために文禄―慶長期(一五九二―一六一五)春日森かすがのもり土手・大口土手とともに築堤した(宝永四年「大川通り惣堤間数改帳」酒井文書、年未詳「蓮華寺縁起」蓮華寺文書など)

前掲惣堤間数改帳によれば、土手の規模は堤長一五〇間、表石垣が敷七間、馬走り四間、高さ二間から三間、裏土手が敷七間半、馬走り二間、高さ二間半から三間半、それに籠出し・石倉丸出しが各一ヵ所、水枠七組がつけられ、土手元に原耕地はらごうち(現松田用水)あな水門も設けられていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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