岩塊流(読み)がんかいりゅう

百科事典マイペディア 「岩塊流」の意味・わかりやすい解説

岩塊流【がんかいりゅう】

岩氷河,岩の川とも。山腹や山腹を刻む谷内にみられる舌状をした巨大な岩塊の集り。平時は岩塊が地すべり状に徐々に斜面谷底匍行(ほこう)するが,豪雨時,雪どけ時などには急激に土石流となって流下することもある。特に周氷河地域で発達する。→周氷河地形

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の岩塊流の言及

【周氷河地形】より

…緩斜面では岩塊が移動できず,地表をおおって岩石原block fieldをつくる。斜面では個々の岩塊がゆっくり滑る滑動岩塊,多量の岩屑が全体としてクリープし斜面をおおう岩屑斜面,凹所に集積しながら流下する岩塊流blockstream,中に氷体をもつ岩石氷河などが発達する。融凍攪拌作用によるものは凍土現象として一括される。…

【マス・ムーブメント】より

…また,その原因が凍結融解作用によるものに次のようなものがある。地表の物質が斜面に対して垂直に立つ霜柱によって押し上げられ,その融解とともに重力の方向に落下,沈下することによって移動する霜柱匍行frost creep,岩屑の集合体が中に含まれた水の凍結融解によって一体となって斜面を移動する岩塊流block stream,岩屑層の中に氷の塊が存在するものは岩石氷河rock glacierと呼ぶ。これらは他の匍行よりもかなり速く,最大のものは年1mを超えることがあり,それぞれ特有の周氷河地形を形づくる。…

※「岩塊流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」