山宮神社(読み)やまみやじんじや

日本歴史地名大系 「山宮神社」の解説

山宮神社
やまみやじんじや

[現在地名]志布志町安楽

安楽あんらく川左岸、字宮下みやしたにある。祭神は天智天皇・倭姫・玉依姫・大友皇子・持統天皇・乙姫。安楽山宮神社と通称される。旧郷社。江戸時代末までは山口やまくち六社大明神とよばれていた。社伝によれば、天智天皇が薩摩国頴娃えいに行幸する途中志布志安楽の浜に船を着けた。頴娃で玉依姫との間に乙姫をもうけ、都に戻る時に死後当地に廟を建てるよう命じたため、和銅元年(七〇八)天智天皇の廟を御在所ございしよ岳に建て山宮大明神と号し、また御在所岳麓に大友皇子の霊社を創建し山口大明神と号したという。大同二年(八〇七)山宮大明神を麓に移し、また山口大明神を安楽に移し、同社と天智天皇の后倭姫を祀る鎮母じつぼ神社、天智天皇の次女持統天皇を祀る若宮、玉依姫を祀る中之宮、乙姫を祀る蒲葵びろう御前社および山宮大明神の計六社の神を合祀し、山口六社大明神と号するようになったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報