尾小屋(読み)おごや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「尾小屋」の意味・わかりやすい解説

尾小屋
おごや

石川県小松市の一地区。大倉(おおくら)岳の麓(ふもと)、郷谷(ごうたに)川上流の山間部にあり、鉱山集落として発展した。1682年(天和2)に銅の採掘が始まったが、1881年(明治14)以降本格的に開発され、銅のほか鉛、亜鉛、金も産出した。1921年(大正10)全国産銅の5%を占め、人口約2500の集落に発展し、1919年には延長約17キロメートルの私鉄軽便鉄道(尾小屋鉄道)が小松駅から開通した。鉱山は1931年(昭和6)以来日本鉱業が経営していたが、1971年(昭和46)廃鉱、私鉄は1977年廃線となった。一方、1970年ごろから下流平地の水田にカドミウム汚染問題が生じ、除去対策がとられた。深雪地帯で大正末期スキー場が開かれ、現在は大倉岳高原スキー場とよばれる。

[矢ヶ崎孝雄]

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