小長井町(読み)こながいちよう

日本歴史地名大系 「小長井町」の解説

小長井町
こながいちよう

面積:三〇・九三平方キロ

北高来郡の東部に位置する。西は高来町、北は佐賀県藤津ふじつ太良たら町と接し、南東は有明海(諫早湾)に臨む。北西部に多良たら山系の山嶺が連なり、有明海に向かって傾斜する地勢となっており、船津ふなつ川・小深井こふかい川・長里ながさと川などもこれにしたがって南東流する。海岸沿いにJR長崎本線と国道二〇七号が通るほか、県道の小長井線が通る。北西部の山茶花さざんか遺跡などでは旧石器時代の台形石器や縄文時代早期の押型文土器、南東部の井崎いざき遺跡では弥生時代前期の支石墓が確認され、六世紀代の造営とされる大峰おおみね古墳では巨大な石材を用いている。六世紀末から七世紀代の円墳長戸鬼塚ながどおにづか古墳では石室内に船・鯨など、丸尾まるお古墳では格子文の線刻壁画が発見されている。律令制下では高来たかく郡に含まれたが、町域がいずれの郷に属したかは明らかではない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報