小猿・子猿（読み）こざる

精選版 日本国語大辞典

こ‐ざる【小猿・子猿】

〘名〙 (「こさる」とも)

① 小さい猿。また、猿の子。

※書紀（720）皇極二年一〇月・歌謡「岩の上に 古佐屡(コサル)米焼く 米だにも 食(た)げて通らせ 山羊(かましし)の老翁(をぢ)」

② 「こざるかぎ（小猿鉤）」の略。

※宗湛日記（茶道古典全集所収）‐天正一四年（1586）十二月二一日（張紙）「釜落し候に、右にてこさるを取、左にてかきを取、そと挙てより」

③ 「こざるへん（小猿偏）」の略。

※なぞだて（1516）「廾のこさる立ながらむまるる 薩」

④ 操人形で、人形の頭(かしら)に続く棒状の胴串(どうぐし)にしかけた糸を操る栓。これを操作して人形の眉、目、口などを動かす。〔楽屋図会拾遺（1802）〕

⑤ 和船の帆道具の一つである打廻(うちまわし)をつくるための樫(かし)の小片。これを多数並べて簾(すだれ)のように編んで打廻とする。〔和漢船用集（1766）〕

⑥ 川御座船などの出し屋根の補強材持送(もちおくり)の小形のもの。

出典　精選版 日本国語大辞典