日本大百科全書(ニッポニカ) 「小熊捍」の意味・わかりやすい解説
小熊捍
おぐままもる
(1885―1971)
遺伝学者。東京に生まれ、1911年(明治44)東北帝国大学農学部農学科卒業(札幌)。北海道帝国大学農学部助手、助教授を経て1929年(昭和4)に教授に昇進、翌年同大学理学部に移って動物学第二講座を担当。その間、1922年(大正11)より2年間イギリス、ドイツ、ベルギーに留学し、ベルギーではリエージュ大学のウィニワーターHans de Winiwarter(1875―1949)のもとでヒトの染色体の研究をし、帰国後もヒトのほかネズミ、爬虫(はちゅう)類、昆虫類などの染色体研究に貢献、日本における動物細胞遺伝学の基礎を築いた。北海道大学では、理学部部長、低温科学研究所所長、触媒研究所所長などを歴任。1949年(昭和24)に国立遺伝学研究所の初代所長となり、1955年に退官した。
[吉田俊秀]
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