小戸神社(読み)おどじんじや

日本歴史地名大系 「小戸神社」の解説

小戸神社
おどじんじや

初めは下別府しもべつぷの地にあったが、寛文二年(一六六二)の大地震で水没したため上野かみの町に移されたという。昭和九年(一九三四)たちばな通の拡張に伴い現在地の鶴島つるのしま三丁目に遷座した。祭神伊弉諾尊。旧村社。「古事記」禊祓の段によると、イザナギは穢国から帰り、「竺紫日向之橘小門之阿波岐原」で禊祓をし諸神が生れたとされ、「日本書紀」巻一神代上の一書第六では、イザナミに追われたイザナギは泉津平坂に至り、「筑紫日向小戸橘之檍原」で祓除をしたとする。記紀に登場するこの小門おど・小戸、阿波岐原あわきがはら檍原あわきがはらの比定地は古くから諸説があるが、正徳三年(一七一三)の御城并町在所々覚書(内藤家文書)によると、橘小戸は宮崎上野町・中村なかむら町間渡り、檍原は宮崎江田えだ村の沖にあるとされ、それぞれに「橘の小戸の汐瀬に顕れてむかしふりにし神そ此神」「西の海にあわきか原のしほちより顕れそめし住吉の神」の歌が添えられている。

小戸神社
おおべじんじや

[現在地名]川西市小戸一丁目

祭神は天津児屋根命。小戸天神とも称する。旧村社。「延喜式」神名帳に川辺かわべ郡七座の一つとして記される小社「小戸ヲベノ神社」に比定される。中・近世の記録がなく詳細は不明だが、宮座制度により祭祀をつかさどってきたものと考えられる。小戸村内の牛頭天王社は明治初年の神仏分離策に伴って祭神を素盞嗚尊と改めて八坂神社とし、明治四二年(一九〇九)に小戸神社に合祀

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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