小弓庄(読み)おゆみのしよう

日本歴史地名大系 「小弓庄」の解説

小弓庄
おゆみのしよう

丹羽郡内の藤原氏(近衛家)領荘園。旧犬山城下・犬山村、現犬山市の中心部を含む地域であったが、荘域は不詳。「良峯氏系図事書」に「小弓大夫惟光、以所領号小弓庄、奉寄進本家於御堂関白家」とあり、正暦年中(九九〇―九九五)藤原道長の代に良峯惟光の寄進により成立した。良峯氏は桓武天皇の末裔玄理の子孫と伝え、代々丹羽郡司を世襲、丹羽郡については「此一郡内敢無他人所領」と豪語して全域を私領化していた一族。惟光は玄理より数えて六代目季光の弟にあたる。なお、同系図中の注記では、寄進者は季光とされている。この寄進に際して、違勅者玄理の子孫であることをはばかり、道長の命によって良峯姓を橘姓に改めたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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