専売仕法

山川 日本史小辞典 改訂新版 「専売仕法」の解説

専売仕法
せんばいしほう

江戸時代には幕府諸藩が,明治期には政府が,特定商品の仕入れ,あるいは販売を独占して利益をはかった制度。金沢藩仙台藩の塩専売仕法のように江戸初期からすでに実施されている。とくに中期以降,藩財政の困窮が表面化すると,諸藩は殖産興業政策を行うとともに,生産された特定商品の仕入れ・販売の独占をめざし,国産会所を設けて専売仕法を実施した。特定商品の仕入れには,藩自身がこれを行う直接的購買独占と,有力商人が行う間接的購買独占があり,販売には,仕入れた商品を領内に売る領内配給独占と,大坂などに送る領外販売独占がある。幕府も銅座・鉄座・真鍮座などを設けて特定商品の専売を実施した。明治政府は1898年(明治31)煙草専売を,ついで1905年塩専売を実施した。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報