寄掛・倚懸・凭掛(読み)よりかかり

精選版 日本国語大辞典 「寄掛・倚懸・凭掛」の意味・読み・例文・類語

より‐かかり【寄掛・倚懸・凭掛】

〘名〙
① よりかかること。よりかかる対象であるもの。また、頼みにしたり依存したりすること。
※もはや「戦後」ではない(1956)〈中野好夫〉「『戦後』への倚りかかりはやめなければいけない」
② 肘(ひじ)や背中などを当ててよりかかるための道具。脇息や座椅子などの類。
※正倉院御宝物之図‐御宝物目録(古事類苑・器用一八)「御倚懸 囲三尺七寸、長二尺六寸、幅九寸、高六寸、絹二つ」
③ 椅子の部分の名。すわった時背中をもたれかからせるところ。
※青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春「尚徳は椅子の凭掛(ヨリカカリ)へ靠れて」
④ 婦人が身近におく箱。または、机。
※御伽草子・猿の草子(室町末)「やがて京、さかい町屋へあつらへける道具には、〈略〉貝おけ、よりかかり、ときぐし、びんぐし」
和船外艫(そとども)の上枻(うわだな)を延長した部分。高く反り上がっているところからいう。
※船作法覚日記(1824)「寄掛り之幅、四尺五寸」

より‐かか・る【寄掛・倚懸・凭掛】

〘自ラ五(四)〙
① 寄り添ってもたれかかる。よっかかる。
大和(947‐957頃)六四「ちかくだにえよらで、四尺のびゃうぶによりかかりてたてりていひける」
② 頼みにする。依存する。よっかかる。
※花ごもり(1894)〈樋口一葉〉一「よし風ふかば吹け波たたばたて与之様おはしますほどはと拠(ヨ)りかかれる心の憐れに可愛く」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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