宮ノ下(読み)みやのした

日本歴史地名大系 「宮ノ下」の解説

宮ノ下
みやのした

[現在地名]川越市宮下町みやしたまち

西大手門前より北の南北道と、そこから右折して氷川神社に至る東西道とに沿った両側で、上級武士屋敷が配置されている。一七世紀後半頃の川越城図に宮ノ下とみえ、西大手門の北隣に町奉行屋敷がある。元禄一五年(一七〇二)の河越御領分明細記では「会所前通」と記し、長さ一一九間五尺・屋敷数一〇、氷川神社前の東西道を代官だいかん町と記し、長さ二三四間、屋敷数二三。「川越索麪」によればこの南北道をあらためと記し、長さ一五二間、屋敷数九、会所があった。

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改訂新版 世界大百科事典 「宮ノ下」の意味・わかりやすい解説

宮ノ下[温泉] (みやのした)

神奈川県南西部,箱根温泉群のほぼ中央にある温泉。弱食塩泉,29~90℃。浅間せんげん)山北麓に位置し,早川と蛇骨川の渓谷が画した三角形の台地上に開ける。箱根七湯の一つ。1398年(応永5)の発見と伝えられ,近世には江戸からの利用客が多く,大名家や武家湯治も行われた。1878年山口仙之助は,外国人専用ホテルとして富士屋ホテルを開業し,その洋風建築は近代的な温泉場としての性格を形成する始まりとなった。現在も外国人観光客の来湯が多い。早川にのぞむ崖の上に旅館15軒があり,隣接する底倉温泉,堂ヶ島温泉と合わせて,にぎやかな温泉街を形成している。早川を隔てて明神ヶ岳明星ヶ岳をあおぎ,1km余の浅間山頂からは相模湾房総半島大島が眺望できる。箱根登山鉄道宮ノ下駅下車。
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