宣誓ギルド(読み)せんせいギルド(英語表記)jurande; métiers jurés

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宣誓ギルド」の意味・わかりやすい解説

宣誓ギルド
せんせいギルド
jurande; métiers jurés

フランス王権による国内ギルド特権処置。ジュランド jurandeの語は中世手工業ギルドの自主的な組合監督機関をさしていたが,工業規制を試みる王権は,1581年以来の王令によってギルドの共通規約と特権を定めた。これが宣誓ギルド (ジュランド) である。さらに,17世紀になって,商工業の保護育成を目指した J.コルベールは,1673年王令をもって全国的な産業規制を企て,すべての手工業を宣誓ギルド化しようと試みた。 1776年産業の自由を推進しようとした財務総監 A.テュルゴーはこれを廃止したが,反対されて撤回革命に入って,91年のアラルド法,同年6月のル・シャプリエ法によって最終的に廃止された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の宣誓ギルドの言及

【コルベール】より

…当時は“17世紀の全体的危機”といわれる経済不況のただ中にあり,“貨幣不足”が深刻化していた。彼は貨幣の量が国力を決定するとの基本的な観念からも,世界に流通する貴金属,貨幣の中でのフランスの取り分増加を最大の課題とし,貿易を通じてこれを果たすため保護関税を強化し,東インド会社,北方会社などの特権貿易会社を振興し,毛織物,ゴブラン織,ガラスなどの輸出向け産業で特権マニュファクチュールを設立・育成し,非ギルド的な手工業を宣誓ギルドjurandeに編成して統制強化を図った。彼の経済観念も諸施策も革新的なものではなく,すでにラフマ,リシュリューら先駆者をもつが,経済状況の悪化と財政上の要請から,彼の施策は対外的には“貨幣戦争”という著しく攻撃的な性格を帯び,国内でも強権的で煩瑣な国家統制・国家後見を伴い,コルベルティスムColbertismeと総称されて王室的重商主義の典型といわれる。…

※「宣誓ギルド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android