定無(読み)さだめない

精選版 日本国語大辞典 「定無」の意味・読み・例文・類語

さだめ‐な・い【定無】

〘形口〙 さだめな・し 〘形ク〙 物事が、いつどうなるかわからないさまである。物事が、一定しない。うつり変わりやすい。無常である。
※後撰(951‐953頃)冬・四四五「神無月ふりみふらずみ定なき時雨ぞ冬のはじめなりける〈よみ人しらず〉」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)市振「定めなき契、日々の業因いかにつたなしと」
さだめな‐さ
〘名〙

さだめ‐な【定無】

(形容詞「さだめなし」の語幹) 定めないこと。感動表現に用い、多く「さだめなの世」と熟合して、不安定な男女の仲、無常な人生などを表わす。
源氏(1001‐14頃)竹河「さだめなの世や。いづれにか寄るべき、などのたまふ」
新撰菟玖波集(1495)雑五「又しぐれゆくなか空のくも さだめなの世やさて何をたのままし〈宗砌〉」

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