安達西根(読み)あだちにしね

日本歴史地名大系 「安達西根」の解説

安達西根
あだちにしね

阿武隈川を境として安達郡の西半分、現在の二本松市・本宮もとみや町の大部分と安達町・大玉おおたま村の全部を含む地域をいう。興国二年(一三四一)と思われる二月二七日付の法眼宣宗書状(有造館本結城古文書写)に「安達西方」とみえ、味方となった河村孫三郎が当地域にもっている知行分の処遇をめぐって、北畠親房は当地域内にある南朝方武士の当知行地との調整に苦慮している。同四年には安達西根の本宮(館)の北朝方が追落されている(五月六日「範忠書状」同文書)。宝徳四年(一四五二)年紀をもつ現大玉玉井の相応たまのいのそうおう寺薬師如来胎内銘に「奥州安達郡西根玉井 云 阿陀多羅山相応寺」とみえる。長享元年(一四八七)一二月一五日、良済は安達郡のうち西ね・東祢ひがしねおよび安積あさか郡内の二本松殿一族に関する旦那職を一〇年季八貫文の本銭返で売っている(「道者売券」熊野那智大社文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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