安積保(読み)あづみほ

日本歴史地名大系 「安積保」の解説

安積保
あづみほ

中世の保。揖保いぼ川にその支流引原ひきはら川が合流する現一宮町と現波賀はが町の境付近一帯に比定され、一宮町安積を遺称地とする。元弘三年(一三三三)五月一〇日の安積盛氏着到状(安積文書)によると、播磨国御家人で「安積保下司公文」および三方西みかたのさい(現波賀町)の公文である安積四郎左衛門入道光阿の子息太郎兵衛尉盛氏は同月七日に足利尊氏のもとへ馳せ参じ、尊氏はこれを賞して同着到状に証判を加えている。なお盛氏のこの行動は、同年五月二日の大塔宮護良親王令旨(同文書)による鎌倉幕府軍追討の命にこたえてのものである。安積氏は通説では陸奥国安積あさか(現福島県郡山市など)を本貫とする武士とされている。しかし「建内記」嘉吉元年(一四四一)九月二一日条は安積を「アツミ」と読み、郡名の「あさか」との違いがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android