宇奈己呂和気神社(読み)うなころわけじんじや

日本歴史地名大系 「宇奈己呂和気神社」の解説

宇奈己呂和気神社
うなころわけじんじや

[現在地名]郡山市三穂田町八幡

多田野ただの川南岸の台地上に鎮座し、隣接して真言宗豊山派護国ごこく寺がある。また周辺に中世の石造供養塔が分布する。旧郷社。祭神誉田別命・瀬織津姫尊。八幡宇奈己呂(牟那久呂)和気神社・八幡宮・相殿八幡神社とも称した。草創年代は不明だが、往古下守屋しももりや三森さんもり八幡台はちまんだいに鎮座、延暦三年(七八四)勅により大伴宿禰国道が現在地(山崎村)に遷座し、村名を八幡やはたと改めたという(積達大概録)。初めの鎮座地を高旗たかはた山とする説もある(相生集)。承和一四年(八四七)一一月四日に従五位下、貞観一一年(八六九)三月一二日には正五位を授けられている(三代実録)。「延喜式」神名帳の安積あさか郡名神大社の同名社に比定されるが、現本宮もとみや大名倉おおなぐら山の同名社に比定する説もある。もとは瀬織津姫尊を祀っていたが、平安末期頃八幡信仰が広まるなかで八幡宮が合祀され、鎌倉時代源頼朝から安積郡を宛行われたと伝える工藤祐経の後裔安積伊東氏が当社を安積郡の惣鎮守とし、武神の八幡神を主神化して奉祀したものと考えられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android