孝子村(読み)きようしむら

日本歴史地名大系 「孝子村」の解説

孝子村
きようしむら

[現在地名]岬町孝子

深日ふけ村の南、おお川の上流域に広がる山村。村の西部大川沿いを紀州に至る孝子峠越の道が通る。大川に沿って帯状にわずかな平地があり、下流から下孝子・中孝子・上孝子の三集落がある。地名は橘逸勢の娘が、配流途中に病死した父を当地に葬り、妙沖と名乗って菩提を弔ったので、その孝心にちなみ名付けられたという。また役小角が讒言によって追われた時、役人が小角の母を捕らえようとしたため、母の身を思ってこの地で自ら捕らえられたという小角の孝心にちなむとも伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android