子供屋(読み)コドモヤ

デジタル大辞泉 「子供屋」の意味・読み・例文・類語

こども‐や【子供屋】

江戸時代男色を売る歌舞伎子を置いていた家。陰間かげま茶屋子供茶屋子供宿
「―の親方ども申し合はして日を定め」〈浮・禁短気・二〉
主に江戸深川で、遊女を抱え置いた家。遊女の置屋
「―から茶屋へ、あの客へは出されぬ、なぞと言って」〈洒・古契三娼

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精選版 日本国語大辞典 「子供屋」の意味・読み・例文・類語

こども‐や【子供屋】

〘名〙
① 江戸時代、陰間(かげま)を抱えて男色を売らせた家。陰間茶屋。子供茶屋。子供宿。野郎屋。
※浮世草子・万の文反古(1696)四「揚屋子ども屋手形借しれたる買かかりは」
② 江戸深川の遊里で、遊女をかかえている家をいう。
洒落本・龍虎問答(1779)「子共屋(コドモや)亭主じひをもって此世地獄かごくらくへ、くらがへさせて済すなり」

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世界大百科事典(旧版)内の子供屋の言及

【陰間】より

…彼らの年齢は10~17歳が中心で,はじめは小姓風の扮装であったが,のちには髪を島田髷(しまだまげ)に結い,大振袖を着,言語や動作も女性的にした。その売色の場を提供する家を陰間茶屋と呼び,陰間を抱えている家を子供屋といった。江戸の陰間茶屋は,芳町,木挽町,湯島,芝神明などに集中していたが,前2者は芝居町に近く,後2者は寛永寺,増上寺に近く僧侶たちを客にしたからだといわれる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」