奴隷解放（読み）ドレイカイホウ

デジタル大辞泉

どれい‐かいほう〔‐カイハウ〕【奴隷解放】

奴隷制度を廃止し、奴隷を身分的、人格的に自由にすること。その運動は18世紀に、啓蒙主義者・人道主義者などを中心に始められ、19世紀に入ってウィーン会議での奴隷貿易廃止原則の確認、英国の奴隷貿易禁止、米国のリンカーン大統領による奴隷解放宣言などを経て実現した。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

どれい‐かいほう ‥カイハウ【奴隷解放】

〘名〙 奴隷制を廃止し、奴隷売買を禁じ、奴隷を自由人にすること。一九世紀はじめから急速に発展した運動。一八一五年ウィーン会議は黒人奴隷取引禁止を宣言、翌一六年、世界最初の奴隷解放組織、アメリカ‐コロニゼーション協会が発足した。アメリカの奴隷解放は一八六五年、国際連盟による奴隷売買禁止は一九二六年。〔現代術語辞典（1931）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の奴隷解放の言及

【ポンバル】より

…また，国家から独立している宗教裁判所を王立裁判所に組み込み，検閲およびイエズス会が支配していた教育を国家の統制下に置いた。これらの世俗化と並行して，新旧キリスト教徒の差別を撤廃して新キリスト教徒にも公職につく機会を与え，ブラジルにおける白人と原住民の平等化，国内の奴隷解放など社会の平準化を実施した。　経済政策では，17世紀後半以降深まった対英経済従属から脱却するために，ブルジョアジーの支援を得て各種植民地交易の独占会社を創設し，植民地交易からの収益の増大を図った。…

※「奴隷解放」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」