女重宝記(読み)おんなちょうほうき

精選版 日本国語大辞典 「女重宝記」の意味・読み・例文・類語

おんなちょうほうき をんなチョウホウキ【女重宝記】

江戸前期の女訓書。五巻五冊。苗村丈伯著。元祿五年(一六九二)刊。当時の女性が身につけるべき知識教養列挙、解説した書。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「女重宝記」の意味・わかりやすい解説

女重宝記
おんなちょうほうき

江戸中期に婦女子啓蒙(けいもう)教化、実用日益を主として刊行された書物。近世初期の民衆文化の向上に伴い、仮名草子(かなぞうし)などとともに発生した。そのおもなものは、1692年(元禄5)艸田寸木子(くさだすんぼくし)著『女重宝記』、1702年(元禄15)に『新板増補女重宝記』、1711年(正徳1)に『女重宝大成』、またそのころに西川祐信(すけのぶ)著並画『女重宝記』、1847年(弘化4)に、高井蘭山(らんざん)著『絵入日用女重宝記』などが刊行されている。これらの書はいずれも世の推移につれ流行を追い、補足訂正されていったもので、『絵入日用女重宝記』には、一之巻に女風俗の評判、言葉遣い、化粧、衣服のこと、二之巻に祝言に関すること、三之巻は懐妊中の心得、四之巻には女の学ぶべき諸芸(手習い和歌、箏(そう)、かるた、聞香(ぶんこう)など)、五之巻には女節用字尽くし、女用器財、衣服、絹布染色の諸名などが載せられている。

[北條明直]


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