太田鋳銭座跡(読み)おおたいせんざあと

日本歴史地名大系 「太田鋳銭座跡」の解説

太田鋳銭座跡
おおたいせんざあと

[現在地名]常陸太田市山下町

現国鉄常陸太田駅北側を中心とした地で、明和五年(一七六八)秋から同九年秋までの四年間、水戸藩が寛永通宝を鋳造、「太田鋳銭」とよばれる。

寛永通宝(銭)は金一両に対し四貫文と公定されていたが、元禄金銀改鋳で金銀の品位が低下し、庶民経済の拡大で小額通貨が不足気味となったことなどのため、銭高が目立つようになった。そこで幕府は明和二年頃から江戸の亀戸、武蔵の川口、京都の伏見、長崎などで鋳銭をつづけ、同五年には一文で並銭四文に通用する「真鍮四文銭」を出すなど、銭相場の安定をはかった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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