大行は細謹をかえりみず（読み）たいこうはさいきんをかえりみず

精選版 日本国語大辞典

たいこう【大行】 は=細謹(さいきん)［=小謹(しょうきん)］をかえりみず

大事業をしようとする者は、小さな事柄や欠点を気にかけないで、どしどし事を行なう。

※平治（1220頃か）中「大事の前の小事也。されば大孝は小謹を顧みずといへり」 〔史記‐項羽紀〕

[補注]「大行」を、意味が近いところから、「大功」などと誤解して用いる例も多い。「浄・仮名手本忠臣蔵‐七」の「大功(タイコウ)は細瑾(サイキン)をかへり見ずと申すが」、「譬喩尽‐三」の「大功不_レ顧_二細謹_一 たいコウハサイキンヲカヘリミズ」、「当世書生気質〈坪内逍遙〉一一」の「大功細瑾(タイカウサイキン)を省みず」など。

出典　精選版 日本国語大辞典