大福田寺(読み)だいふくでんじ

日本歴史地名大系 「大福田寺」の解説

大福田寺
だいふくでんじ

[現在地名]桑名市東方

東方ひがしかたの丘陵地の東麓にある。神宝山法皇ほうおう院と号し、高野山真言宗。もと大福村にあり、文亀元年(一五〇一)七月日付の大福田寺勧進(大福田寺蔵、国指定重要文化財)に「夫以此寺者 後宇多院御宇、額田部実澄於大神宮依神託受戒忍性菩薩共所草創之也」とあり、後宇多院の頃(一三一八―二一)に創建されたと思われ、当時は福田寺と称していたが、足利尊氏により大の字を加えられて大福田寺と称するようになった。明応九年(一五〇〇)放火により全焼したため、沙門叡熙が桑名郡神戸郷に寺の再建を始めたことがわかる。この勧進状は能書家であった三条西実隆のしたためたもので、「実隆公記」文亀三年八月八日条にも「伊勢国神戸郷大福田寺勧進帳書之(中略)被伝十穀(聖カ)也」とあって、再び勧進状をしたためている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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