大渡番所跡(読み)おおわたりばんしよあと

日本歴史地名大系 「大渡番所跡」の解説

大渡番所跡
おおわたりばんしよあと

[現在地名]前橋市岩神町二丁目

近世の前橋城下から沼田城下へ向かう道はむかい町を西に行き、観民かんみん茶屋を過ぎ、利根川の川原に出て北上する。この地点で対岸総社そうじや地区の大渡村へ渡るのが大渡渡で、その川岸に番所があった。現在の大渡橋下流約一キロにあたる。利根川の川渡場を監視する役をもっていた。古くは関所とよばれたが、松平氏入封後は番所とよばれた。その成立は元和二年(一六一六)と思われる(東武実録)。大渡渡は古くからの渡場と思われ、妙本寺本「曾我物語」巻五によれば、源頼朝は三原みはら(現吾妻郡か)での狩からの帰途、「打過角田河、付大渡」と利根川を大渡で越えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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