大殿籠(読み)おおとのごもる

精選版 日本国語大辞典 「大殿籠」の意味・読み・例文・類語

おおとの‐ごも・る おほとの‥【大殿籠】

〘自ラ四〙 (「おおとの」は寝殿のこと) 「ねる(寝)」の尊敬語。おやすみになる。御寝(ぎょしん)になる。およる。
伊勢物語(10C前)八三「親王(みこ)おほとのごもらであかし給うてけり」
[語誌]大殿宮殿の正寝殿であるところから、そこに「籠る」のは限られた貴顕の人のみであり、従って「大殿籠る」は、天皇皇族といった高貴な身分の人の睡眠をのみいう尊敬表現になった。

おおとの‐ごもり おほとの‥【大殿籠】

〘名〙 (動詞「おおとのごもる(大殿籠)」の連用形名詞化) おやすみになること。御寝(ぎょしん)
落窪(10C後)一「なぞの御とのごもりぞ。物いひ知らずなありそ」

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