大屋戸村(読み)おやどむら

日本歴史地名大系 「大屋戸村」の解説

大屋戸村
おやどむら

[現在地名]名張市大屋戸おおやど

夏秋なつあき村の南、名張川が大きく曲流する内側に位置する。田地は河岸近辺に開け、洪水による被害も多い。康保三年(九六六)四月の伊賀国夏見郷刀禰等勘申案(東大寺文書)に「名張河西、薦生御牧上方、添山所在寺神領田畠・私人領地公田、其数已多、或号大屋戸、或号夏焼、然而其領主各別也」とあり、刀禰などの主張によればこの一帯には一〇世紀中頃には公田を含め多くの領主の田畠があった。ところが東大寺板蠅いたばえ杣の拡大、黒田くろだ庄の形成によって一一世紀中頃にはすでに黒田庄の一部となり、天喜三年(一〇五五)一二月に黒田・大屋戸両村は四八町七段余の所当官物の進納を命ぜられている(同年一二月九日「伊賀国司庁宣」百巻本東大寺文書)。天承元年(一一三一)五月一日の伊賀国黒田庄出作名官米返抄(東大寺文書)に「黒田御庄大屋戸村出作友清名」「黒田出作大(戸脱カ)武国名」とあり、康治元年(一一四二)一二月一一日の伊賀国大屋戸出作官物検納状(同文書)に「大屋戸出作重則名」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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