大内椀(読み)おおうちわん

百科事典マイペディア 「大内椀」の意味・わかりやすい解説

大内椀【おおうちわん】

山口の毛利家に伝わる椀類で,かつて大内氏が山口城にいたころのもののほか,同種のものを一般に大内椀と呼ぶ。飯椀,汁椀,平椀,坪の4種があり,総弁柄(べんがら)塗に黒漆で雲形,黄漆で枝菊を描き,金箔(きんぱく)を張ったもの。大内塗大内義隆奨励によるといわれ,明治初年に近藤清石の指導により,岩本梅吉が古作を模造して復興し現在に及ぶ。
→関連項目漆器

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防府市歴史用語集 「大内椀」の解説

大内椀

 大内氏が室町時代朝鮮半島中国に輸出していた漆ぬりの器のことです。絵柄の中に大内氏の紋が入っているので、このように呼ばれます。

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世界大百科事典(旧版)内の大内椀の言及

【漆絵】より

…また中世までの漆絵は朱やべんがら一色だが,近世になると色彩豊かな明製の漆器や流行し始めた密陀絵の影響で,彩漆の漆絵が創作される。一方,中世からの漆絵椀の伝統は新たに勃興した漆器産地に受け継がれ,滋賀の南部椀,会津椀,吉野椀,滋賀の日野椀や朽木盆,山口の大内椀など,特徴ある食器類が生産された。明治時代には柴田是真などが漆絵を芸術的に高めた。…

※「大内椀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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