大乗寺(兵庫県)(読み)だいじょうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大乗寺(兵庫県)」の意味・わかりやすい解説

大乗寺(兵庫県)
だいじょうじ

兵庫県美方(みかた)郡香美(かみ)町にある高野山(こうやさん)真言(しんごん)宗の寺。亀居(ききょ)山と号し、俗に応挙寺とよばれる。行基(ぎょうき)の開創と伝えられ、室町時代には山名氏の帰依(きえ)を受けて寺門が興隆したが、その後衰微し、寛政(かんせい)の初め(1790ころ)密英(みつえい)が諸堂を再興した。密英は応挙と親交があり、彼に旅費を施したこともあったが、たまたま応挙が諸堂の再興を聞き、旧恩に報いるために門人を伴って来寺し、襖(ふすま)、屏風(びょうぶ)、掛軸などに多く描いた。現在、本堂、薬師堂、山門、客殿、宝庫、庫裡(くり)があり、寺宝には平安後期の木造聖観音(しょうかんのん)立像、同十一面観音立像、また応挙の紙本墨画山水図4枚、紙本着色郭子儀図襖8枚、紙本墨画孔雀図(くじゃくず)襖16枚などの国重要文化財がある。

[勝又俊教]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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