塔の宮廃寺(読み)とうのみやはいじ

日本歴史地名大系 「塔の宮廃寺」の解説

塔の宮廃寺
とうのみやはいじ

[現在地名]奈良市山町

やま町の北東御霊ごりよう神社の境内に数個の礎石があり、古瓦も出土し、古代の寺院跡とされる。礎石は円形の柱座を造出したもののほか、径約六〇センチ、深さ約二五センチの円孔を刻んだ塔の心礎とみられるものも一個遺存する。出土の古瓦のうち、複弁蓮華文、周縁に鋸歯文をめぐらす軒丸瓦の破片は白鳳時代のもので、寺院の創建は七世紀後半にさかのぼるものと推定される。ほかに鎌倉時代頃までの軒平瓦・軒丸瓦も出土。「大和志」に「廃大楽院在山村東八島寺子院」とある大楽院跡とみられるが、所在地から大宅氏の氏寺跡ではないかとの説もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android