城子崖(読み)じょうしがい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「城子崖」の意味・わかりやすい解説

城子崖
じょうしがい

中国、山東(さんとう/シャントン)省歴城県竜山鎮にある新石器時代竜山文化の代表的な遺跡。1928年呉金鼎(ごきんてい)が発見し、30年と31年の2回にわたって李済(りせい/リーチー)、梁思永(りょうしえい/リヤンスーヨン)らが発掘した。多数の良質の黒陶(こくとう)が出土して注目され、そのため竜山鎮にちなんで名づけられた竜山文化は、黒陶文化ともよばれた。文化層は上下2層からなり、上層青銅器時代に属し、春秋戦国時代の譚(たん)国の遺跡と推定されている。また上層からは窯跡(かまあと)や灰陶(かいとう)が検出されている。下層は竜山文化層で、東西390メートル、南北450メートルの土城壁が検出され、黒陶、粉黄陶(ふんこうとう)の(き)(注口のある三足土器)、灰陶、石器、骨角器、貝器などが出土している。黒陶は技術的にも優れ、漆黒色を呈する光沢のある精製のもので、器形も変化に富み典型的竜山文化を形成している。ほかにブタ、イヌ、ウマ、ウシヒツジなどの獣骨も出土しており、それらは家畜として飼育されていた。また、ウシやシカ肩甲骨を用いた卜骨(ぼっこつ)(占いに用いた獣骨片)があり、殷(いん)文化との関連を物語っている。

[横田禎昭]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「城子崖」の解説

城子崖(じょうしがい)
Chengziya

中国山東省歴城県竜山鎮(りゅうざんちん)にある新石器時代後期の遺跡。1930~31年の発掘で黒陶(こくとう)を出土。黒陶を含む遺跡を竜山文化と呼び,山東を中心に華北,華中に広がっている。

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旺文社世界史事典 三訂版 「城子崖」の解説

城子崖
じょうしがい

山東省歴城県竜山鎮にある新石器時代の竜山文化の代表的遺跡
1930年と31年の2回にわたり,北京の国立中央研究院歴史言語研究所によって発掘された。遺跡は上下2層からなり,下層は石器時代のもので殷 (いん) より古く,上層は青銅器時代に属する周代の譚 (たん) 国の遺跡と推定されている。

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